配偶者貸付とは|専業主婦が総量規制の例外で借りる条件と、実際に使える選択肢
※この記事は2026年10月時点の各社公式サイトの掲載内容や制度をもとにまとめています。個別の商品条件は必ず各社の公式サイトでご確認ください。
配偶者貸付とは、本人に収入がない専業主婦(主夫)でも、配偶者の年収と合算して「夫婦の年収合計の3分の1まで」借りられる、貸金業法の総量規制の例外貸付けです。
利用には配偶者の同意書、婚姻関係を証明する書類、配偶者の収入証明が必要です。配偶者に知らせずに使える制度ではありません。
また、制度として存在しても、商品として扱うかは業者ごとの判断です。大手消費者金融5社(プロミス・アコム・アイフル・SMBCモビット・レイク)の申込条件はいずれも本人の安定収入が前提で、公式サイトに配偶者貸付の案内はありません。専業主婦が実際に借りられる選択肢は、専業主婦可を明記した銀行カードローンが中心になります。
総量規制と例外貸付けの位置づけ
貸金業者からの借入は、原則として本人の年収の3分の1までです。本人の年収がゼロの専業主婦は、この原則だけでは借入可能額がゼロになります。
貸金業法は、この原則に「除外貸付け」(残高に算入しない:住宅ローンなど)と「例外貸付け」(残高に算入するが3分の1超でも可)を定めています。配偶者貸付は例外貸付けの一つで、他に「顧客に一方的に有利となる借換え(おまとめ)」「緊急の医療費」「社会通念上緊急に必要な費用(10万円以下・3か月以内)」などがあります。
配偶者貸付の条件と必要書類
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 借入の上限 | 夫婦の年収合計の3分の1から、夫婦それぞれの貸金業者からの既存借入を差し引いた額 |
| 配偶者の同意 | 配偶者の同意書が必要(署名) |
| 婚姻関係の証明 | 住民票(続柄記載)や戸籍抄本など |
| 配偶者の収入証明 | 源泉徴収票、給与明細など |
| 返済義務 | 契約者本人。配偶者は同意するだけで保証人にはならない |
計算例
配偶者の年収が450万円、夫婦ともに貸金業者からの借入がない場合、理論上の上限は150万円です。配偶者がすでに消費者金融から100万円借りていれば、残りは50万円になります。配偶者の借入が多いと、専業主婦側が借りられる額はなくなります。
被災者向けの時限的な手続き簡素化
2026年8月の貸金業法施行規則の改正で、令和8年熊本地震の被災者に限り、配偶者貸付の住民票等の事後提出などが2027年1月31日まで認められています。これは被災者限定の時限措置で、一般の利用者の手続きが変わるものではありません。
実際に扱っている業者は少ない
配偶者貸付は法律上の制度ですが、業者に取扱いの義務はありません。書類確認の手間や審査コストに対して貸付額が小さいため、大手消費者金融は本人収入のある人を対象にしています。
| 業者 | 申込条件(2026年10月時点の公式表記) | 配偶者貸付の案内 |
|---|---|---|
| プロミス | 18〜74歳、安定した収入 | なし |
| アコム | 20〜72歳、安定収入(パート・アルバイト可) | なし |
| アイフル | 満20歳以上、安定収入(年金のみ不可) | なし |
| SMBCモビット | 満20〜74歳、安定収入(年金のみ不可) | なし |
| レイク | 満20〜70歳、安定収入 | なし |
配偶者貸付を扱うのは一部の中小貸金業者です。利用する場合は、金融庁の登録貸金業者情報検索で登録番号を確認し、金利が利息制限法の上限(10万円以上100万円未満で年18%)以内であることを確かめてください。「専業主婦OK」「審査なし」をうたう無登録業者は違法です。
専業主婦が借りる現実的な選択肢
1. 専業主婦可の銀行カードローン
銀行は総量規制の対象外で、配偶者の収入をもとに専業主婦に貸す商品があります。2026年10月時点で公式に専業主婦可を明記しているのは次の3商品です。楽天銀行とイオン銀行は限度額50万円まで、スルガ銀行は配偶者の同意を得て申し込む形です。
| 商品 | 条件 | 限度額 | 金利(年) |
|---|---|---|---|
| 楽天銀行スーパーローン | 満20歳以上60歳以下、「または専業主婦」 | 50万円まで | 1.9%〜14.5%(10万〜100万円未満は14.5%) |
| イオン銀行カードローン | 満20歳以上65歳未満、配偶者に安定継続収入 | 50万円まで | 3.8%〜13.8%(10万〜90万円は11.8%〜13.8%) |
| スルガ銀行カードローン | 契約時20歳以上70歳以下、配偶者の同意を得て申込 | 5万〜800万円(専業主婦向けの上限の記載なし) | 3.9%〜14.9%(固定。審査で決定) |
三井住友銀行は「無職・専業主婦(主夫)は申込が難しい」、オリックス銀行は「専業主婦(主夫)を除く」と案内しています。その他の銀行は可否を明記していません。
2. クレジットカードのキャッシング枠
すでに持っているカードにキャッシング枠があれば使えますが、キャッシングは貸金業法の対象で総量規制に含まれるため、専業主婦本人名義のカードでは枠が付かないか少額です。家族カードのキャッシングは本会員に請求が届きます。
3. 配偶者貸付を扱う中小貸金業者
配偶者の同意が得られるなら選択肢になりますが、金利は上限に近い水準になることが多く、書類の手間もかかります。銀行カードローンが使える状況なら、そちらを先に検討する方が一般的です。
配偶者貸付の注意点
- 配偶者の同意が前提のため、知らせずに借りる目的には使えない
- 夫婦の借入が合算で管理されるため、配偶者の借入が多いと利用できない
- 扱う業者が少なく、条件を満たしても審査に通るとは限らない
- 返済義務は契約者本人にある
- 借りた額は総量規制の残高に算入される
専業主婦がパートを始めた場合
本人に収入ができれば、その年収の3分の1までは配偶者の同意なしに通常の申込ができます。年収60万円なら上限は20万円です。少額であっても安定した収入があれば、大手消費者金融も申込対象になり、選択肢が広がります。
よくある質問
Q. 配偶者の同意なしで配偶者貸付は使えますか
A. 使えません。配偶者の同意書と婚姻関係を証明する書類の提出が法令上の要件です。
Q. 配偶者貸付で借りたお金の返済義務は誰にありますか
A. 契約者本人です。配偶者は同意しただけで、保証人になるわけではありません。
Q. 銀行カードローンなら専業主婦でも配偶者に知らせずに借りられますか
A. 楽天銀行・イオン銀行の公式の申込条件には配偶者の同意書の要否は書かれていません(スルガ銀行は配偶者の同意が必要)。ただしローンカードは郵送され、返済は世帯の収入から行うことになります。知らせずに借りることはおすすめしません。
Q. 専業主婦の限度額はいくらですか
A. 専業主婦の上限を定めている楽天銀行・イオン銀行は、いずれも50万円までです。
まとめ
- 配偶者貸付は総量規制の例外。配偶者の同意と書類があれば夫婦の年収合計の3分の1まで借りられる
- 大手消費者金融5社は配偶者貸付を案内しておらず、扱う業者は一部の中小に限られる
- 専業主婦の現実的な選択肢は、専業主婦可の銀行カードローン(楽天銀行・イオン銀行は50万円まで、スルガ銀行は配偶者の同意が必要)
- 本人にパート収入ができれば通常の申込ができ、選択肢が広がる
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